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2009年9月17日 (木)

「最も遠い銀河」白川道 ②

「日なたに落ちた種子は 日陰に落ちた種子のことはわからない。日なたの世界の野郎に、日陰に落ちた種子の意地をみせる」登場人物 木島浩(不良時代からの親友)の言葉

「光が生まれる朝は誰にも平等だ だけど光が昇るにつれて世のなかは不平等になってゆく、 この世の中はその繰り返しなのだ」 登場人物 李京愛の母の言葉

産経新聞 「著者に聞きたい」

http://sankei.jp.msn.com/culture/books/090802/bks0908020928014-n1.htm

朝日新聞のブックレビュー

http://book.asahi.com/review/TKY200909010125.html

「最も遠い銀河」白川道

「遠い銀河」

光、生まれる朝

光、支配する午後

光、眠る夜

生まれいでたる光輝かざれば

夜の闇に朽ちるのみ

一瞬の光は

永遠の輝きをもって

遠い銀河に眠る

作品の中の登場人物「李京愛」(美貌のジュエリーデザイナー)の詩

白川 道(1945生)の作品は「天国への階段」(2001年、幻冬舎)という作品で号泣?して、その後 いくつかの作品を読んだが、「天国への階段」に匹敵するだけの作品はなかった。最新作の「最も遠い銀河」(2009年7月幻冬舎)はいい作品である。

作者の人生が波乱万丈。作家になる前に投資顧問会社で何十億の金を動かし、女子大生と同棲しながら、1年で1億円使い切る生活を送ったり、インサイダー取引で服役したこともあるそうである。

作者の人生が小説になりそうである。

http://ja.wikipedia.org/wiki/%E7%99%BD%E5%B7%9D%E9%81%93

 これからもいい作品が期待される。

2009年1月29日 (木)

前田慶次郎利益

火坂雅志の「天地人」については、ブログで述べた。

http://shibaryo.synapse-blog.jp/shibaryo/2009/01/post-4f09.html

前田慶次郎のことが気になり、

隆慶一郎(1923-1989)著「一夢庵風流記」(読売新聞社)を読んだ。荒唐無稽な話の展開?傾奇者の話をするときはこんなものか。あとがきを読んでみると、司馬遼太郎著の「城をとる話」(光文社)も、前田慶次郎をモデルにしているとのこと、これも読まなくては。

前田慶次郎のことは、原哲夫の漫画「花の慶次:雲のかなたに」(週刊少年ジャンプ)で知った。「北斗の拳」を書いた漫画家である。傾奇者(かぶきもの)の主人公はフィクションだと思っていたが、実在のヒトなんですね。隆慶一郎の作品も、漫画も誇張が多いにしても、実在していたとは驚きでした。

最近ではパチンコ台の「CR花の慶次」というのがあるらしい。全くもって驚きの世の中である。

南北朝時代に婆沙羅(ばさら)大名の佐々木道誉もいました。

山形県米沢に行くと 前田慶次ゆかりの地めぐりをしてくれる

タクシー会社もありますね。http://www.yamagatakanko.com/feature/theme/maeta/maeta2.html

http://www.yamagatakanko.com/feature/theme/maeta/index.html

NHKの大河ドラマ「天地人」でも後半から登場するかもしれませんが、そのときは いったい誰が演じるのでしょうか。

2009年1月23日 (金)

天地人

筆者の火坂雅志
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E7%81%AB%E5%9D%82%E9%9B%85%E5%BF%97
自分と同じ年に生まれているようで。

これまで、豊臣秀吉、織田信長、徳川家康、武田信玄、上杉謙信などは戦国時代の有名な登場人物は学校で習ったり、小説で読んだりして、耳なじみがあるのですが「天地人」に登場する上杉謙信の養子と その家老のことを知りませんでした。

家来の 前田慶次郎
漫画ででてくるのですが、
実在したようですね。
小説があれば 読んでみようと思います。

前回のNHK日曜大河ドラマは鹿児島が舞台の部分は見ましたが、後は あまり 見てません。

大河ドラマは
原作と脚本が違うことを 以前は嫌っていたのですが、前回の篤姫で
小松帯刀を登場させたのはすごいと思いました(はまり役とは思いませんでしたが)。原作を2回読んで、小松が登場しないことを確認しました。原作は 嫁姑の部分が多く ちょっと 読みづらい部分もありました。

「天地人」という言葉がどこから来ているのか?

以前 海音寺潮五郎氏の「天と地と」で謙信と信玄の話がありました。

NHKのHPでは
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

http://www9.nhk.or.jp/taiga/topics/index.html
上杉謙信の伝記『北越軍談(*)』の中の謙信の言葉(謙信公語類)からきている。
*上杉謙信、景勝、上杉家の家臣などの軍記物

「輝虎(謙信)公曰く。天の時、地の利に叶(かな)い、人の和とも整いたる大将というは、和漢両朝上古(じょうこ)にだも聞こえず。いわんや、末代なお有るべしとも覚えず。もっともこの三事整うにおいては、弓矢も起こるべからず、敵対する者もなし」

大将というのは「天・地・人」の3つの条件が揃うことが理想だが、そんな人物は日本や中国の歴史どころか神話の時代にも聞いたことがない。もっとも3つの条件が揃うようなら、戦争も起こらないし、その大将に敵対する人物も現れないだろうと語っているのだ。

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http://www.epochtimes.jp/jp/2005/03/html/d59779.html

中国では古来より事を成就するのに必要だと言われてきたのが、「天の時」「地の利」「人の和」である。「天、地、人」は世界を形成するものとして「三才」という。三国を考えてみると、曹操が天子(皇帝)を側に抱えて諸侯に命令を下して「天の時」をとり、孫権が地理的に有利なことから「地の利」」をとり、劉備が諸葛孔明を得て「人の和」をとったと考えられる。すなわち三国は「天の時」、「地の利」、「人の和」という三分ともいえる。

老子の『道徳経』には
人法地、地法天、天法道、道法自然。
(人は地を法とし、地は天を法とし、天は道を法とし、道は自然は法とする)
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー「天地人」というタイトルに感心しています。

さて、時代は下って米沢藩主になった上杉鷹山(宮崎から養子)は 経済立て直しで有名で、大河ドラマで取り上げてくれると今の時代にふさわしいですが 今回のドラマで 10年はないでしょう。
(全国各地から オラの県を取り上げてくれの陳情があるでしょうから)

http://ja.wikipedia.org/wiki/%E4%B8%8A%E6%9D%89%E9%B7%B9%E5%B1%B1

話が 海音寺潮五郎氏に戻りますが、彼は自分の原作を映像化することを必ずしも賛同しなかったようである。

Wikipediaでは

http://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%B5%B7%E9%9F%B3%E5%AF%BA%E6%BD%AE%E4%BA%94%E9%83%8E

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

海音寺潮五郎は昭和44年(1969年)4月1日、「今後、一切、新聞・雑誌からの仕事は受けない」という旨の引退宣言を毎日新聞上で発表して、世間を驚愕させた。あたかもこの年、1月からNHK大河ドラマとして海音寺の作品を原作とする『天と地と』の放送が開始されており、その影響もあって著作がベストセラーとなっていた最中の、まさに人気絶頂での引退表明であった。原作発表から既に10年近くが経過しているなかで、マスコミの力を借りなければ作品が読まれない状況に不満を抱いての引退宣言であるとの見方が一般的であった。 ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

2008年11月17日 (月)

ガリレオの苦悩

東野圭吾著「ガリレオの苦悩」(文芸春秋社)を読んだ。

http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%AC%E3%83%AA%E3%83%AC%E3%82%AA%E3%81%AE%E8%8B%A6%E6%82%A9

http://www.bunshun.co.jp/book_db/3/27/62/9784163276205.shtml

「容疑者Xの献身」(文芸春秋社)は名著で、最後の展開は涙してしまった作品である。その一連のシリーズである。

http://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%AE%B9%E7%96%91%E8%80%85X%E3%81%AE%E7%8C%AE%E8%BA%AB

最近、公開された映画では、

http://yougisha-x.com/

堤真一が高校の数学教師役を好演しているが、原作のイメージとは違う。

殺人の謎解きをする物理学者の湯川が今回は主人公の作品である。「容疑者Xの献身」は直木賞をとった作品であるが、なかなか、これを超えてるか、同等かというと?それでも東野圭吾は作家になる前は大阪府立大学工学部電気工学科卒で、デンソーに勤務していたとはいえ、主人公湯川の謎解きはいつもながらすごい。

http://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%9D%B1%E9%87%8E%E5%9C%AD%E5%90%BE

「聖女の救済」(文芸春秋社)はまだ読んでないが、「ガリレオの苦悩」と同時刊行とはすごい。

http://www.bunshun.co.jp/book_db/3/27/61/9784163276106.shtml

東野圭吾は 娘に勧められた「手紙」からはまってしまって、家内と娘の3人家族で中毒となってしまった作家である。

2008年10月24日 (金)

出口のない海

横山秀夫氏(1957-)の「出口のない海-人間魚雷回天特攻作戦の悲劇」(1996)を読んだ。彼の作品を読むのは「クライマーズハイ」につぎ、2作目である。

http://shibaryo.synapse-blog.jp/shibaryo/2008/07/post-51ad.html

人間魚雷「回天」をテーマにした小説である。

2006年に当時中学3年の娘と靖国神社遊就館を見学した際、展示している人間魚雷「回天」を見た。

http://www.yasukuni.jp/~yusyukan/

2006年映画化されていて、市川海老蔵が主人公を好演している。

http://www.cinematopics.com/cinema/works/output2.php?oid=6087

人間魚雷の中は狭く、操縦も困難で、目的の敵国の戦艦を爆破することなく、死んでいった人のほうが多いのではないか。特攻の飛行機同様なんとも罪つくりの兵器を作ってくれたものである。

平和ボケしている今の社会、戦争は語り継いでいかねばならない。多くの尊い犠牲の元に戦後日本の繁栄があることを忘れてはならない。

2008年8月25日 (月)

ピカレスク 太宰治伝

猪瀬直樹著「ピカレスク 太宰治伝」

http://www.inose.gr.jp/list/index.html

彼のHPによると

「太宰治って、こんな人だったのか!まったく新しい視点から描かれた太宰と井伏、二人の作家のミステリアス悪漢物語。
「井伏さんは悪人です」。太宰が遺書に書いた言葉の意味は何だったのか?親兄弟、友人知人を騙り、窮地に陥る度に自殺未遂を起こした太宰。その太宰を冷徹に観察し、利用した井伏。二人の文士は、ともに「悪漢」であった。師弟として知られる井伏鱒二と太宰治の、人間としての素顔を赤裸々に描く傑作評伝ミステリー」

ピカレスク小説:私には耳なじみの無い言葉。Wikipediaによると、「16~17世紀のスペインを中心に流行した小説の形式。悪漢小説、悪者小説。」

http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%94%E3%82%AB%E3%83%AC%E3%82%B9%E3%82%AF%E5%B0%8F%E8%AA%AC

太宰治(1909-1948)はわずか38年間の短い生涯である。「斜陽」(1947)や「人間失格」(1948)は有名であるが、読んだことが無い。小学校の教科書で読んだ「走れメロス」(1940)はその当時、外国の作品と思っていました。

太宰治は本名:津島 修治。大地主の子供として生まれいるが、金銭感覚に乏しく借金を踏み倒したり、女性と自殺未遂を何度も繰り返したり、女性関係が乱れている。

その頃、菊池寛によって作られた芥川賞を受賞するべく、運動をしたり、受賞できなかったら、審査員を誹謗中傷したりしている。

野口英世(1876-1928)は有名な細菌学者であり、子供の頃、伝記を読んだこともあるが、渡辺淳一著「遠き落日」を読むと,借金を踏み倒して、人格的には問題がある人のようで、太宰治もこの小説を読むとだいぶイメージが変わった。

津島雄二衆議院議員(1930-)は、太宰の長女園子(石原美和子の子)の夫。

随筆家 太田治子氏(1947-)は愛人太田静子氏(1913-1982)の子供. 治子の治は太宰治から一字もらっている。

2008年7月28日 (月)

レディ・ジョーカー

高村 薫(1953-)の「レディ・ジョーカー」(毎日新聞社、1997年)を読んだ。 これまで、「神の火」と「マークスの山」を読んでいる。

dvdになっている映画作品はやはり、2時間くらいにおさまる原作ではないのでハズレか。

グリコ・森永事件を参考にして、「麒麟麦酒」がモデルになっているようである。被差別部落問題も本書のテーマの一つ。10年以上前の作品であるが、読み応えがある。

2008年7月 2日 (水)

茨の木(いばらのき)

さだまさし著「茨の木」(幻冬舎)を読んだ。

http://www.sada.co.jp/book.html

http://www.gentosha.co.jp/search/book.php?ID=102052

さだまさしは 吉田正美とのDUOの「グレープ」(1972-76)の頃の曲が、一番好きだったかもしれない。ライブやラジオ放送での話術もうまいが、言葉をよく知っているためか、小説を書かせても、なかなかのものである。今回の作品は、さだ が 小さい頃から習って賞までとったバイオリンが題材である。個人的には彼の書いた小説では「眉山」が一番、「解夏」が二番だろうか。映画の影響も大きいかもしれない。又、「精霊流し」以来の4番目の映画化になるかもしれない。

その前に読んだ「眉山」(幻冬舎)が原作も映画も感動したので、新作を読みたくなって、読んだ。「眉山」では、末期がんにおかされた江戸っ子の母親が原作、映画ともに良かった。(映画では宮本信子演) 涙、涙、涙であった。

http://bizan-movie.jp/index.html

「解夏」(げげ)(幻冬舎)

http://www.gentosha.co.jp/search/book.php?ID=100625

http://www.cinematopics.com/cinema/works/output2.php?oid=4224

映画ではベーチェット病で視力低下していく主人公を演じた大沢たかおも上手だったが、舞台となった長崎の風景(お寺や墓地など)が良かった。

2008年6月23日 (月)

ジーン・ワルツ

海堂尊(かいどう たける)著「ジーン・ワルツ」(gene waltz) (新潮社)を読んだ。読むのが遅い私にしては4日間で読み上げたのは早かった。

http://www.shinchosha.co.jp/book/306571/

「美貌の産婦人科医・曾根崎理恵――人呼んで冷徹な魔女(クール・ウイッチ)。人工授精のエキスパートである彼女のもとにそれぞれの事情を抱える五人の女が集まった。神の領域を脅かす生殖医療と、人の手が及ばぬ遺伝子の悪戯がせめぎあう。『チーム・バチスタの栄光』を越えるドラマティックな衝撃があなたを襲う!」

不妊症、人工授精、妊娠、出産の危険性、奇形児、代理母。

医師臨床研修制度大学の弊害、福島県立大野病院での帝王切開手術の出血性ショック死亡例における産婦人科逮捕問題など いろいろ現代で起きている医療問題がかかれている。

海堂尊氏(1961年生)は 外科医を経て現在、病理医。作家との二足のわらじをはいている。映画にもなった「チーム・バチスタの栄光」(宝島社)をご存知の方も多いかもしれない。

http://tkj.jp/kaidou/interview01.html

これまで、「ナイチンゲールの沈黙」、「ジェネラル・ルージュの凱旋」、「螺鈿迷宮」、「ブラックペアン1998」、「死因不明社会:Aiが拓く新しい医療」を読んだことあるが、一読をお勧めする作品である。