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2008年3月12日 (水)

ぶす

「ぶす」などと女性の前では発言を慎まなければなりませんが、絵本で「ぶす」(内田 麟太郎作、ポプラ社)というのがありました。

http://www.poplar.co.jp/shop/shosai.php?shosekicode=20440010

http://www.yomiuri.co.jp/book/kodomo/picture/20070912bk04.htm

ケチな主人が、つぼの中の水あめを猛毒(もうどく)(=附子(ぶす))だとウソをつく。留守番中の家来(けらい)ふたりのやりとり、機転をきかせたウソのお返しがこっけいな人気演目です。「ちゃっとのけ! ちゃっとのけ!」。独特のせりふ回しを生かしつつ軽妙(けいみょう)にアレンジした文。狂言通ではないという作者が、古典の翻訳(ほんやく)でなく、今の子どもが共感できる笑いへ橋渡しをしてくれます。

狂言の演目で「附子(ぶす)」というのがあり、それを元に書かれているようです。

「生薬単」語源から覚える植物学・生薬学名単語集、原島広至著、NTS社によると

http://www.nts-book.co.jp/item/detail/summary/bio/20071105_56.html

「附子」とは、猛毒のトリカブトの茎がでる母根の周囲の新しい芽をつけた子根をさし、「母に附く子」の意味らしいです。

以前、トリカブト保険金殺人事件がありました。

http://gonta13.at.infoseek.co.jp/newpage1.htm

トリカブトは神経伝達阻害により、骨格筋の麻痺を起こす神経毒。しかし、これを高圧蒸気処理等による減毒処理すると、薬になる。不思議ですね。麻黄「附子」細辛湯、桂枝加朮「附」湯などに「附子」が入っているのですね。

なお、「ブス」という言葉の語源は「附子」を口にすると顔面神経麻痺し、無表情になり、そこからつけられたという説もあります。「東海道四谷怪談」で、お岩が飲まされた毒も「附子」とされてます。