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2008年6月

2008年6月30日 (月)

映画「奇跡のシンフォニー」

原題は「August Rush」

http://www.kiseki-symphony.com/

http://augustrushmovie.warnerbros.com/

このタイトルでは、どんな映画かさっぱり想像がつかないのですが、いい邦題である。

一般に映画は子供、動物を扱うと人気がでるらしいですが、それはさておいても、泣けてくるいい映画です。

クラッシック、ロック、ゴスペル、町の騒音、自然の音、いろんな音が音楽になる。

まるでモーツァルトを髣髴させる才能を有する子供。

http://www.eigafan.com/newfilm/archives/2008/03/august_rush_1.html

以前、映画「Home Alone」(1990年)で名子役のMacaulay Carson Culkin「少年」は、両親の離婚やアルコール依存症、マリファナ所持騒動とあまりいい噂は聞かない。

今回の主役の Freddie Highmore(1992年生)は

「チャーリーとチョコレート工場」にもでているが、「ホーム・アローン」の主人公役の子供のようにはなって欲しくない。

http://en.wikipedia.org/wiki/Freddie_Highmore

http://wwws.warnerbros.co.jp/movies/chocolatefactory/

おんがめ

一昨日、猪俣睦彦氏(南日本放送局タレント:むっちゃん)の講演を聞いた(2008年6月28日)。

http://www.mbc.co.jp/person/inomata.html

笑いを誘い、聴衆を眠くさせない、語り口でした。

薩摩狂句のラジオ番組「さつまお笑い劇場」を長く担当しているだけあって、鹿児島弁が上手です。

http://www.mbc.co.jp/radio/owarai/index.html

講演の中で、「おんがめ」という鹿児島弁がでてきた。

「蟷螂(かまきり)」のことらしい。初めて聞いた。

http://hougen.atok.com/dialect/showtop.sv?did=12&what=search

今は亡き瀬川洋一郎氏(2005年7月12日、享年75歳)から聞いた話を語ってくれました。

http://opensesami.mo-blog.jp/idea/2005/07/post_e71e.html

「おんがめ」という言葉は、「拝む」が語源らしい。英語では

蟷螂(かまきり)のことを「mantis」もしくは「praying mantis」と言う。

http://dic.yahoo.co.jp/dsearch?enc=UTF-8&p=%E8%9F%B7%E8%9E%82&stype=0&dtype=3

「pray」はご存知のように「祈る」である。http://dic.yahoo.co.jp/dsearch?enc=UTF-8&p=pray&stype=0&dtype=1

西洋人も 蟷螂を見て、薩摩の人同様、神仏に祈る姿を想像したようである。

最近、若い人は特に、流暢な鹿児島弁を話す人が少なくなっていってますが、瀬川洋一郎氏から猪俣睦彦氏へ、猪俣氏から たくちゃん(野口たくお氏)に鹿児島弁の語り部として鹿児島弁を 伝えていって欲しいものです。http://www.mbc.co.jp/person/noguchi.html

2008年6月27日 (金)

松山千春

フォーク歌手の松山千春(52歳)が不安定狭心症で入院(2008.06.25)。http://www.asahi.com/showbiz/nikkan/NIK200806270015.html

「千春は糖尿の持病はあるが、心臓の持病はなく、今回のツアーも元気に20カ所で公演を行っていた。デビューに導いた恩人で札幌テレビ放送のラジオディレクター竹田健二さん(享年36)から、デビュー前に「酒、女、たばこ、どれか1つをやめろ」と助言され、酒をやめた。以来、酒は1滴も飲んでいないが、たばこは「曲を作ると口が寂しくなる」と吸っているという。

経皮的冠動脈形成術で命拾いしたようである。

http://sankei.jp.msn.com/entertainments/music/080626/msc0806261448003-n1.htm

吉田拓郎(1946年生、62歳)は 2003年、肺癌の手術。小椋佳(1944年生、64歳)は2001年胃癌の手術を受けている。若い頃、よく聞いた歌手も病に倒れる年齢となっている。自分もご多聞に漏れずであるが。

不安定狭心症」は「メルクマニュアル(家庭版)」によると、

http://mmh.banyu.co.jp/mmhe2j/sec03/ch033/ch033b.html

「症状のパターンが変化する狭心症のことです。狭心症の特徴からみて、症状が安定していた患者に、痛みがひどくなる、発作回数が増える、あまり運動していないあるいは安静にしているのに発作が起こる、などの変化が現れた場合は危険です。普通はこのような変化は、アテロームの破裂や血栓の形成により冠動脈の狭窄がひどくなり、冠動脈疾患が急速に悪化していることを示すものだからです。心臓発作を起こす危険性が高くなっているため、不安定狭心症は緊急に治療する必要があります。」

Washington Manual of Medical therapeutics, 31st ed.では

1) new-onset angina(新規発症狭心症)

2) angina at rest(安静時狭心症発作)

3) progression of angina of increasing frequency or severity or in response to lower levels  of exertion(ちょっとした程度の労作でも狭心症発作の頻度と症状の増悪の進行)

risk factor(危険因子)は「遺伝因子」は変えられないが

1) 喫煙

2)高血圧(治療としては140/90以下、さらには130/80以下が望ましい) 

3)糖尿病(治療としては空腹時血糖110以下、HbA1c 7.0%以下)

4)高脂血症

5)肥満

6)運動不足(1日に30分は体を動かしたほうがいい。)

7)加齢(男>45歳、女性>55歳)

私も危険因子を少なくとも3つは持っている。他人事ではない。

新聞報道では、松山千春は糖尿病の持病がありながら、タバコを吸い続けたのは自業自得か。元気になって、また歌を聞かせて欲しい。

Watch out!

プロ野球、ソフトバンク・ホークス セ・パ交流戦、初優勝おめでとう。

http://www.softbankhawks.co.jp/news/detail/1399.html

川崎宗則選手、MVP おめでとう。

http://www.softbankhawks.co.jp/news/detail/1411.html

今年は 王監督最後のシーズン。是非、優勝して、日本シリーズに臨んで欲しい。今シーズン 2度、ヤフー・ドームで観戦した。開幕二試合目の楽天戦、交流試合の横浜戦。いずれも勝ちゲームで、応援していて気持ちがよかった。

二度とも 内野席で観戦していて、時にファール ボールが観客席に飛んでくると、センター後方の大画面に「Watch out!」と表示される。

どんな意味だろうと辞典を調べてみると 「気をつけろ」

Longmanの英英辞典では

「take care」

例:Watch out!  There's a car coming.

Random House  Webstarの英英辞典では

「to be careful or cautious」

例:Watch (out) when you cross the street.

打球が飛んでくるとどきっとします。今度、観戦するときは、グローブ持参で行かなきゃ。 

de Quervain病

「ドケルバン病」、厚生省病名は「ドゥ・ケルバン腱鞘炎」初めて聞く病名である。手首の腱鞘炎。

http://www.tanakageka.com/lecture/dequervain/

http://ryukyushimpo.jp/news/storyid-11771-storytopic-1.html

パソコン、裁縫、ピアノなど手をよく使う人に見られる腱鞘炎。NHK「きょうの健康」2006年5月号(「けんしょう炎」川崎市立病院 堀内行雄副院長)に載っていた。

手関節の腱鞘は親指側にあり、この部分に起こる腱鞘炎を「ドケルバン病」といい、親指を広げるのがつらくなります。

診断法として、

Finkelstein's test(フィンケルシュタイン テスト):母指を内側に入れて、握りこぶしをつくり、手首を小指側に曲げると痛みが生じる。

治療法は

1)局所の安静、

2)髄鞘内局所麻酔入りステロイドの髄鞘への注射。

3)上記治療で治らない場合は手術(髄鞘の切離、腱の開放)

整形外科医にとっては どうも ありふれた疾患のようですね。

「ドケルバン」というのは人の名前で、Wikipediaによると

http://en.wikipedia.org/wiki/DeQuervain's_syndrome

Frintz de Quervain(1868-1940)はスイスの優れた外科医で、「de Quervain's thyroiditis」(ウイルス性呼吸器感染症の後にしばしば起こる、亜急性、非細菌性甲状腺炎) という疾患も発見している。「内分泌疾患診療マニュアル」(日本医師会)によると この疾患は40歳以上の女性に好発し、感冒症状に引き続き、有痛性の甲状腺腫大を伴い、頻脈、多汗、体重減少が見られます(一過性甲状腺中毒症)。

パソコンのキーボードを叩く機会の多い自分も親指の使い過ぎに?気をつけないといけない。

2008年6月23日 (月)

サンパチェンス

今朝(2008.06.23)のNHKのニュースを見ていたら、「サンパチェンス」という新品種の花を紹介していた。

サカタのタネ(株)開発の新品種のようですね。

http://www.sakataseed.co.jp/recommend/flower/SupPatiens/tokuchou/tokuchou.html

「サンパチェンス」は「サン」(Sun:太陽)+「パチェンス」(Patience:忍耐)が品種名の由来。暑さや強い日差しに耐える。 

CO2削減効果や、気温の上昇を抑える作用があるそうです。

http://www.sakataseed.co.jp/hotnews/2008/080325.html

環境にやさしい植物のようですね。

インパチェンス(Impatiens:ラテン語の「耐えない」、種子が成熟すると果実がはじけて、種子を飛散させる)属の種間雑種によって生まれた。

ちなみに英語のImpatientは(「patient」が「忍耐」、「忍耐強い」ですから、その否定の意味で)

http://dic.yahoo.co.jp/dsearch?enc=UTF-8&p=impatient&stype=0&dtype=1

1)がまんできない、耐えられない。

2)待ちきれない、切望する。

今度、園芸店に行ったら、サンパチェンスを探してみよう。

チャドクガ

「チャドクガ」(茶毒蛾)のことがNHK「きょうの健康」2008年7月号に載っていた。

http://www.nhk-book.co.jp/kenko/nowbook/index.html

それによると ツバキやサザンカに大発生する。

幼虫が増えるピークが1年に2回あって、6月頃、卵が孵化して幼虫になります。その幼虫が羽化して産んだ卵が、9月頃に幼虫になります。

6月から9月頃までがチャドクガの幼虫による虫刺されに要注意。

「チャドクガ」は一匹にある毒針毛は50万本から600万本(どうやって数えたのでしょうか?)あり、人が近づいて、その熱が伝わると、毒針毛が抜けやすくなって、弱い風でも一斉に飛び散ります。つまり、直接触れなくても木の下を通ったり、風下にいるだけで被害に遭うことがあります。

先日、隣家のサザンカの木の葉にいっぱいくっついてる「チャドクガ」を見せてもらった。

http://www.afftis.or.jp/konchu/kemushi/chadokuga.html

http://www.dermatol.or.jp/

刺されたらどうするか?

その場所にセロハンテープ、ガムテープを貼って毒針毛を取り、そのあと長く流水で洗い流すのがよく、手でこすったり掻いたりするのは最悪です。 抗ヒスタミン含有のステロイド軟膏を塗り、症状がひどければ抗ヒスタミン剤を内服します。

これから、庭や公園を歩く時、ツバキやサザンカの木を見かけたら注意が必要である。

ジーン・ワルツ

海堂尊(かいどう たける)著「ジーン・ワルツ」(gene waltz) (新潮社)を読んだ。読むのが遅い私にしては4日間で読み上げたのは早かった。

http://www.shinchosha.co.jp/book/306571/

「美貌の産婦人科医・曾根崎理恵――人呼んで冷徹な魔女(クール・ウイッチ)。人工授精のエキスパートである彼女のもとにそれぞれの事情を抱える五人の女が集まった。神の領域を脅かす生殖医療と、人の手が及ばぬ遺伝子の悪戯がせめぎあう。『チーム・バチスタの栄光』を越えるドラマティックな衝撃があなたを襲う!」

不妊症、人工授精、妊娠、出産の危険性、奇形児、代理母。

医師臨床研修制度大学の弊害、福島県立大野病院での帝王切開手術の出血性ショック死亡例における産婦人科逮捕問題など いろいろ現代で起きている医療問題がかかれている。

海堂尊氏(1961年生)は 外科医を経て現在、病理医。作家との二足のわらじをはいている。映画にもなった「チーム・バチスタの栄光」(宝島社)をご存知の方も多いかもしれない。

http://tkj.jp/kaidou/interview01.html

これまで、「ナイチンゲールの沈黙」、「ジェネラル・ルージュの凱旋」、「螺鈿迷宮」、「ブラックペアン1998」、「死因不明社会:Aiが拓く新しい医療」を読んだことあるが、一読をお勧めする作品である。

2008年6月20日 (金)

百日咳2

以前、百日咳について書いた。

http://shibaryo.synapse-blog.jp/shibaryo/2008/04/post-725c.html

広島県感染症情報センター(2008.05.09)でも百日咳の例年と比較した今年の流行を報告している。

http://www.pref.hiroshima.lg.jp/hec/hidsc/kansen_wadai/hyakunitiseki.html

愛知県の県のHPでも百日咳の流行を警告している(2008.06.05)。

http://www.pref.aichi.jp/0000016029.html

岩田健太郎著「感染症外来の事件簿」(医学書院)によると

成人発症の百日咳は、予防接種はしているが、効果の減弱してからの感染が問題。この場合、古典的な発作性の咳嗽は比較的少なく、持続性の咳嗽が主症状。

咳が激烈で、長く続く咳で「吐いてしまう」という病歴があれば百日咳を疑う。

ドイツなどでは既に、青少年の時期に追加で百日咳のワクチン接種をしている(ブースター効果)。

NEJM, 353,1555-1563, 2005でも

http://content.nejm.org/cgi/content/abstract/353/15/1555

結語:無菌体百日咳ワクチンは、思春期と成人に対して予防効果があり、ルーチンに使用することで、子供達への伝播と全体的疾病負荷が軽減するとのことである。

つまり、乳幼児期のワクチン接種による百日咳菌抗体価が減弱している思春期、成人期に追加ワクチンを接種して、病気を軽くしたり、免疫を持たない子供達に移さないということである。

百日咳は乳幼児の病気と思っていたが、認識を新たにし、予防接種(思春期以降の追加接種を含め)の必要性を訴えたい。