DPC
DPC(Diagnosis Procedure Combination)
耳なじみのない言葉である。日本語にすると「診断群分類包括評価」。ますます わからないでしょう。
「急性期入院医療の診断群分類に基づく1日当たりの包括評価制度」
しかし、先日、その制度を知ることとなった。
ある患者さん、○○癌で、△△病院に紹介入院。
入院3日目で、開腹切除術を受けている。これまでであれば、術前検査を、ほとんど最初からやり直して、もう少し時間をかけて手術に臨んでいたやり方ががらりと変っている。紹介元の医療機関が行った上部、下部内視鏡検査、注腸検査等が再検されることなく、手術されている。紹介する医療機関も責任ある検査をしてないと、又、他の病変を見逃したりするといけない。責任が重くなっている。
手術によって、定額の診療報酬体系、良い面が悪い面より優るので、その医療機関は導入していることだと思うのだが、厚生労働省の思う壺なのではないのか。
他の多くの医療機関は「出来高払い」制度である。
確かに、「出来高払い」問題点として過剰診療に傾き、医療費を増大しやすいことがあるだろう。
しかし、包括制度になると、合併症の多い患者や手間のかかる人は、本来手厚く医療を施すべきであるが、定額制であると、「手をかけない」、「手抜き」医療にならないのか。手がかかる人は他の医療機関に回されることにならないのか。
患者さんは、診療報酬体系について受診した医療機関が、出来高なのか包括制度を取り入れているのか、多くの場合知らないだろう。
このDPC制度は小泉元政権下の米国医療制度崇拝の弊害ではないだろうか。
平均寿命の伸びや臓器移植、iPS細胞、新薬の開発など、医学の進歩とともに 検査や治療など医療費を含む社会保障費は増加して当たり前なのだが、霞ヶ関で現場を知らず、そろばんだけはじく官僚からすると、毎年2200億円社会保障費削減が何をもたらしたか。ますます、医療現場は昏迷を深疲弊することとなってきた。
ある患者さんの見舞いに行って、あまりに驚かされた一日であった。
http://medical.nikkeibp.co.jp/leaf/all/gakkai/jcs2008/200804/505954.html
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