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2008年2月23日 (土)

サリン

地下鉄サリン事件が起こったのは、1995年3月20日。もう、あれから13年経とうとしている。サリン(sarin)も、有機リン化合物のひとつ。中国で作られた毒入り餃子に含まれていた毒物(メタミドホスmetamidophos)が有機リン化合物であり、共通していることに気づいた。メタミドホスは-phosという名前が燐の存在が示唆されますね。

Wikipediaによると、Sarinは、1938年ナチス・ドイツで開発された神経毒の一種。有機リン系殺虫剤の開発過程で発見されたが、人体に対する毒性が高すぎたために、殺人以外の用途はない。

地下鉄サリン事件では、有機リン系中毒の解毒剤であるPAM(pralidoxime iodide)が医療機関に常備されている薬でなかったので、診断も難しかったと思われるが、特効薬の入手が困難だったようである。

有機リン製剤がアセチルコリンに結合して一定時間が経過するとエイジング(aging)とよばれる不可逆的変化が起こり、治療薬が効かなくなる。サリンは浴びてから、5時間以内に投与しなければ、手遅れとなる。

地下鉄サリン事件は異常な発生の仕方であるが、今回の中国産冷凍餃子の場合は兵庫県で1家族3名(1月5日)、千葉県1家族5名(1月22日)という小規模な発生であったので、医療機関を受診してもまずは、感染性のものを考え、どうしても診断が遅れ、特効薬による治療が遅れてしまったのではないか。縮瞳と筋攣縮が最も信頼性のある他覚的所見で、血液検査では血清コリンエステラーゼ(ChE)の低値。

これまで有機リン中毒は経験したこと無いし、又、お目にかかることのない平和な世の中を期待したいが、頭の片隅に記憶しておかなくてはなるまい。

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