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2008年1月21日 (月)

インフルエンザワクチン

インフルエンザは今年はまだ、私の周りでは流行してませんが、昨年、娘の同級生が高校入試の時に、インフルエンザにかかり、高熱で保健室で受験しましたが、体調不良で運悪く、不合格となりました。普段から、勉強ができていたので、私立の進学コースの特待生として合格していたので、多少は救われました。しかし、第一志望の公立校に合格できなかったのは残念でした。人生の大事な日に体調を崩して、不運としか、いいようがありませんでした。体調さえ良ければ、合格間違いなしだっただけに。

現在65歳以上の高齢者には、自治体はインフルエンザワクチン接種に対して公的補助をしています。それを支持する文献の一つを紹介します。公的補助はひいては医療費削減につながるからです。

Kristin L., et al, New Eng J Med 2003, 348, 1322-1332

Influenza vaccination and reduction in hosptalizations for cardiac disease and stroke among elderly

邦訳:高齢者におけるインフルエンザワクチン接種と心疾患や脳卒中での入院の減少

(要旨)

<背景>上気道感染は虚血性心疾患や脳卒中の危険を増すことと関連する。

<結果>1998-99年は、14万人、1999-2000年は14.6万人の65歳以上の地域住民。それぞれ、55.5%, 59.7%ワクチン接種率。インフルエンザワクチンを接種している群はしてない群に比べ、より合併症があったり、通院していたり、肺炎で入院の既往がある人が多かった。ワクチン非接種群では、認知症や脳卒中にかかっているヒトが多かった。インフルエンザワクチン接種群では心疾患での入院の危険性の減少(両シーズンとも19%減少)、脳血管障害での入院の危険性の減少(1998-1999:16%,1999-2000:23%),肺炎、インフルエンザでの入院の減少(1998-1999:32%, 1999-2000:29%), 全原因における死亡の減少(1998-1999:48%, 1999-2000:50%)

<結語>高齢者では、インフルエンザワクチンの接種はインフルエンザ流行時期に、すべての原因による死亡の危険率同様心疾患、脳血管疾患、肺炎、インフルエンザによる入院の危険性を減少させることと関連する。これらの所見は高齢者において、インフルエンザワクチンの有用性を示し、接種率を上げる努力を支持する。

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